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染料と顔料の違い
 私たちの身の回りには、遥か昔から布が存在していました。普段の生活に必要不可欠な服から始まり、ベッドリネンやカーテンなどのインテリアファブリック。舞台上で観客を魅了する衣装など。そしてそれらには、いろいろな色や模様、装飾が施されています。ここでは、布に色を着ける「染料」と「顔料」の違いについてを、簡単に、ざっくりと書かせていただきます。
染料
 布を織る糸は、とっても細い繊維を束ね、それを紡いで作られている物がとても多いです。木綿の糸は、綿の実のフワフワな綿ぼこり状の繊維を紡いでいます。ウールの糸は羊の細い毛を紡いで糸にしています。その細かい繊維にまで染み込んで色を着けるのが染料。染み込んでしまって、揉み洗いしても引っ掻いてもきれいに完璧に落ちない状態で色を着けるのが染料です。
顔料
 顔料は繊維に染み込む事はなく、布の表面にくっつけて色を着けます。接着剤のような物に色の粉などを混ぜて、布にしっかりと付着させます。そのため、その部分は布の柔らかさが失われ、ゴワゴワな手触りになります。(最近は染色技術が進化して、ゴワゴワ感が少ない顔料もあります。)布用の顔料は、強固に接着する固着材を使っているので、洗濯しても落ちません。
ちょっと違ったイメージで例えると…。
『フローリングの床にいつのまにか汚れが染み付いて、洗剤を付けて強く擦っても落ちない。』これは染料。風合いは変わらずに色が変わっている状態です。
『ご飯粒が服に付いて固まって硬くなっている。』これは顔料。表面にこびり付いているイメージです。
 染料で染めた物は、布の風合いは失われずしなやかなまま。柔らかな肌触りを重視したい衣類やスカーフなどは、染料のほうが向いています。それに対して、顔料は布の風合いを損ねます。しかし、鮮やかな発色が持ち味の一つ。蛍光色で絵柄を描く事もできます。インパクトある柄なら、顔料のほうがよりくっきりと強い印象で描けます。発泡剤を入れて、ウレタン質のフワフワで盛り上がった模様もOKです。そんな顔料ですが、化学的な材料を使っていたりしますので、高温のアイロンがけやドライクリーニングはNGな物もあります。洗濯表示タグのチェックは絶対必要です。
このページの内容は、当店の店長が武蔵野美術大学で受けた講義や実習を元に、新たに得た情報をブレンドして作成したオリジナルです。文章等の無断転載はご遠慮ください。